伝統技術「木目金」

約400年前の武家社会において刀装具とともに発展した金工技術「木目金」は、
武具が不要となった泰平の江戸時代には町人文化の隆盛と共に装身具や生活用品に用いられ発展しました。
「木目金」は刀の鐔(つば)に用いられていた技法であり、
世界でも「Mokume Gane」として知られている日本発祥の伝統金属工芸技術です。

木目金の歴史

江戸時代初期 江戸時代後期 明治時代 現 代 天保 弘化 嘉永 安政 万延 文久 元治 慶応江戸時代初期 江戸時代後期 明治時代 現 代 天保 弘化 嘉永 安政 万延 文久 元治 慶応

▶ 江戸時代初期

「木目金」とは、異なる金属を幾重にも重ね合わせたものを、丹念に彫って鍛え、美しい木目状の文様を作り出す日本独自の金属工芸技術です。約400年前、江戸時代初期、刀装具の職人だった正阿弥伝兵衛によって考案されたと言われています。

▶ 江戸時代後期

「木目金」の完成は江戸時代後期、高橋興次によってなされます。竜田川図鐔は、それまでの常識を塗り替える新しい試みとなりました。高橋興次は、「木目金」を単に文様をつくる技術としてだけではなく、イメージを表現する手段にまで高めました。

やがて木目金・グリ彫りの技術は刀装具だけではなく、矢立や煙管などの実用品に用いられるようになり、次第に江戸の民衆文化に浸透し、普及しました。しかし、廃刀令などの影響で木目金の技術の伝承は一度途絶え、「幻の技術」と呼ばれるようになりました。

▶ 現 代

その後一部の職人や研究者の間に伝わるだけでしたが、本モデルのダイヤルを手がけた株式会社杢目金屋ではさらに研究開発を重ね、唯一無二の文様を生み出す木目金の特性を最大限に活かした結婚指輪を制作。伝統技術による創造的な商品を開発し、お客さまへ新たな価値を提供されています。

出典:杢目金屋webサイト